彼について行くと、特別教室のある棟に入った。
この時間、なかなかここには人は来ない。
その4F一番奥の部屋に、彼は迷わず突き進む。
そして、一番右奥の部屋で足を止めた。
「ここ、ですか?」
「見ればわかるだろう?」
……なんかこの人、話しにくくて苦手かもしれない。
ガラリ、その扉を開くと、そこには既に2人、机を囲んで椅子に座っていた。
2人のうち1人は、スゴくがらの悪そうな男の人で、もう一人は対称的にかわいい……かわいい人?
あれ?
見覚えが……。
……。
「あ」
「思い出した?」
「あ、はい。犬でした」
そこには今朝電柱から柴ちゃんの様子を見ていた……恐らく犬嫌いであろう可愛い系男子がいた。
でもなぜ彼がここにいて、がらの悪そうな人の隣にいて、あたしは呼ばれているのか、全てが全て、さっぱりわからない。



