子供の頃から一緒にいた。 気付けばいつも、当たり前に隣にいた。 あたしの右が、知歌の定位置。 知歌の左が、あたしの定位置。 子供の頃にはどこに行くのだって、二人一緒だった。 一緒に行かないのは、授業の時と病気の時くらい。 少しでも離れれば不安になり、少しでも一緒にいれば安心する。 そんな相手。 ──知歌は、あたしの双子の弟なのだ。