「あ、の……」



思いきって声をかけてみると、いかにも真面目そうな彼はメガネ越しに冷たい瞳を向けてきた。

え、なに、怖い!

口は笑ってるのに目が笑ってないんですけどこの人!!



かなりビビリなあたしは、まだ話してすらいないうちから腰が引き気味だ。

いつでも和歌は逃げられます。



「君が藤崎和歌さん?」

「あ、はい」



え、確認とるの?

あたしのこと知らないのに呼んだの?

え、なに、委員会かなにかですか?

なんで名前しか知らないのに呼ばれたの!?



「昼休みのこの時間、俺たちにくれないかな?」





……俺、たち……?

まさか、いきなりリンチとかじゃないよね?

やだよ、そんな王道展開いらないよ?

まさかね。



あたしは勇気を振り絞って尋ねてみた。



「あの、なぜ、ですか?」



まだ安全地帯にいるうちに聞かないと、安心できない!!

だって目、笑ってないし!

腕組んでるし!



「警戒してるの?大丈夫だよ、3人しかいないし」



人数の問題じゃないです!!