四時間授業を受け、昼休み。
あたしはいつも通り、すずちゃんとみくちゃんと机をくっつけてお昼を食べようと立ち上がった。
その時。
「藤崎さん、藤崎さん」
そう呼ばれ、あたしは振り向いた。
そこにいたのは、まだクラスで話した事のなかった男の子だ。
「なに?」
「藤崎さん、何かしたの?」
「え、あたしなにかしたの?」
「あーいや、ね……」
その子は廊下に一瞬目を向けてから、またあたしを見た。
「2年の悟先輩に呼ばれてるよ」
サトル センパイ?
え、どなた?
え、何、本当にあたし何かしちゃったの?
「悟センパイ、とは……」
「あー、早く行った方がいいと思う。あとで説明してあげるから」
そう言われると、……なんだかヤバい先輩に呼ばれてしまったような気がする。
恐る恐る廊下へ向かうと、腕を組んでドアにもたれている、眼鏡の2年生(靴が青色)がいた。