「…手はつくしましたが…」



そう言った男の医者の後ろに
顔に布がかけられたお母さんが
横になっていた。




「ありがとうございました…」




俺の隣ではばあさんとじいさんが
涙を流していた。


何が起こってるのか…

そんなこと俺にでも
分かった。


だけど、現実を見なかった。




「お母さんはなんで寝てるの??」


「え…??」




医者とばあさんとじいさんが
悲しそうな顔で俺を見つめた。