向日葵のような笑顔の君へ

「あっ!」




そう言ってみのりは、
俺の手を握りながら小走りで
駆け寄った。





「金魚すくいやりたい!!」





目を輝かせながら言うみのりに
当然断ることもなく
俺は屋台のおじさんに2人分金を出した。




「もう!なんで出すかなぁ??」



「だから、男の主義なんだって」



「意味分かんないし」




俺達はおじさんにポイを貰って、
しゃがんだ。




「よーし!取るぞー!」



なんて、さっき言ったばっかなのに
俺の隣にいたみのりのポイは
破けてしまった。



「あ…」




うぅ…、と涙目にしながら
俺を見てきた。



仕方ねぇ…取ってやるか。




俺は赤い金魚2匹、黒い金魚2匹取った。




「お兄ちゃん、うまいね~。
良かったね。お嬢ちゃん」



おじさんの言葉に俺があげた、
金魚が入った袋を持ちながら、
「うん!」と嬉しそうに頷いたみのり。



「春って、金魚すくいうまいんだね!」


「まぁなー」



みのりは金魚が入った袋を見ながら
「名前決めなきゃね~」と言っていた。