ピーンポーン…

次の朝、私は目覚ましではなく玄関のチャイムの音で目を覚ました。
時計を見ると、時刻は7時5分を指している。
今からゆっくり準備を済ませても余裕で間に合う時間だった。

にしても……
一体こんな朝早くから家に来るなんて、誰なんだろう?

ぼんやり考えていると、お母さんが勢いよく部屋に入ってきた。

「あなた、男の子が迎えに来てるわよ?」

男の子………あ。
天野君だ。

私はすぐにベッドから這い出ると上着を羽織って玄関へと向かった。
ドアを開けると天野君が顔を赤らめて立っていた。

「あ…ごめん。早すぎた…よね?」

申し訳なさそうに私を見上げるように見つめてくる。
きっと遅れたらいけないと思って急いで来たんだろう。少し息が荒かった。
なんか、可愛いかも。

「大丈夫。迎えに来てくれてスゴく嬉しい。上がって?すぐ準備するから座って待ってて」