チョコレート箱 【完】





―― ドクンッ



心臓が大きな音をたてる。

……動きたくて、堪らない。

この思いが、今にも暴れ出しそうだ――……!



「キリ君は、あんたのこと好きじゃないかもよぉ~?」



その言葉に、俺はハッと顔を上げた。


……もし、この言葉をナオミ先輩が信じてしまったら。

突き放されてしまう?


好きだ。と言っても、年下の気の迷いだと笑われてしまいそうで――……怖い。



「アレが嘘を言えそうに見えないけど……私、本人の口から聞くまで信じないから。噂って大っ嫌い」

「なっ……!」

「あと、先輩には敬語を使った方がいいと思うよ」



……ナオミ先輩。

真面目で…俺のことを迷わず信じてくれて。




……この憧れが、恋に変わったのはいつだったんだろう。