チョコレート箱 【完】





名前を聞いたら「ナオミ」としか言ってくれない。

それでも、お礼を言いたかった。



何も口を出さないで、俺を信じてくれて…ありがとうって。



今までも、何度かこういうことがあって。


誰かが俺に「大丈夫?」と言えば。

それを見た他の奴らの目は冷たくなって、更に孤立した。


誰かが他の奴らに「最低だ」と言えば。

不機嫌になった奴らは、俺を更に……孤立させた。



結局、他人がどうこう出来る問題じゃ無かった。




だから、何も言わないでくれてありがとう……信じてくれて、ありがとう。と、伝えたかった。


そして、ナオミ先輩の通う高校を見つけて。

必死に勉強して、この高校に入った。



……でも、ナオミ先輩はあの時の事は忘れている様だった。