チョコレート箱 【完】





まだ何か言いそうなトモを睨みつけた。


「とにかく! もう義理チョコはありませんっ!」

そう宣言して、本命チョコの入った紙袋を握りしめる。


……本命はあるけど。義理はもうない。


「なんだよ、サヤカのケチ」


トモは拗ねたようにそう言って、無言になってしまった。

……ちょっと。


「……去年は、こんな感じになって渡したけど。もう騙されないからね」



そう。

去年は『落ち込んだ!?』って思って、慌ててチョコ出しちゃって。


結局、本命チョコは義理チョコとして私の手を離れたのだ。

……ホント、苦い思い出。


今年の私は、気合が違うの。気合が!


トモに私を恋愛対象と認めてもらうって決めたの!