チョコレート箱 【完】





私が、ただどうしようもなく茫然としていると、ヒカルが困ったように笑った。

ゆっくりと私に近づき、頬に触れる。



そして、頬に流れる涙を拭った。


「僕は、言うつもりはなかった……なんて、言い訳しても遅いけど。泣かれるとは思わなかった」

「……泣いて、ないっ……!」



私はヒカルに差し出してもらったハンカチで、涙を拭いた。

……よしっ!


ヒカルは、どうしてほしいか知らないけど。

私が引きずっていたら、ヒカルも引きずったままだ。


気持ちを整理したい。

整理するためにも、私は……




「チョコ、渡してくる!」


私は手作りのチョコを取って、教室から駆けだした。