チョコレート箱 【完】





私の言葉に、ヒカルが顔を歪めた。


……何?

そう思ったけど、涙を拭きとった時には、いつも通りのヒカルだった。


……気のせい、かな。



「僕に何が出来るの、その相談」

そっか。私、何を相談してたのか忘れちゃった。


チョコを渡したいけど渡せない。

その相談だったはずだけど、私にはチョコを渡すなんて一生無理。


「……ううん、いいや。もう、ずーっと染井君を見てるだけでいい。おばあさんになるまで、ずっと……」



私はそう言って、窓の外を見る。


染井君が、笑顔で向かっている先。

そこには、いつもあの彼女さんがいる。


―― ズキッ


……笑顔を私にも向けて――……そう思うのも、駄目かな。