チョコレート箱 【完】





私はきちんと座り直してから、ヒカルの方を見る。


「……でもね。染井君には、渡せないと思うの」

「はっ!? ………えっと、何でかな?」

「うん。受け取らないらしいの、チョコ。彼女さんに心配かけたくないからって……」


私はそこまで言ってから、黙り込む。

なんだか情けない自分に落ち込んで、机に突っ伏してしまった。


「うぅー……ヤダヤダ。顔見てその台詞言われたら、私立ち直れない」

私がウジウジとしているのを見かねたのか、ヒカルが言った。


「立てよ。僕が見てるから」


……うん。ちょっとだけ心強いけどさぁ。

見ててくれるのは、嬉しくないわけじゃないけどさ。


「せめて、手を差し出してよ~……私、立ち直るどころか、穴に落っこちてるかも」

「這い上がれ」

「な、なにそれぇーッ!? 無理だよ、だって痛いもん」


私は机から顔を上げて、涙目でヒカルの方を見た。




「……胸が痛くて、きっと無理。想像するだけで、苦しいぐらいに痛いもん」