私は先に靴を履いて行ってしまった、トモの後を追いかける。



「トモ! 自惚れちゃうけど、いいの?」

「……さぁ?」


トモの口が、悪戯な笑みを作る。

あ。もしかして、からかってる?


ムッとして、私はトモを追い越した。


「ふーんだっ! もう、チョコあげない!」

「あっ! ずりーぞっ!」

「じゃあ、言ってよ。1回でいいから」


トモは私の言葉に立ち止った。

私も止まって、トモの方に近寄る。


「……サヤカのバーカ」

「な、なんて言っ――……ッ!///」


幼馴染の胸の中で、私は顔を赤くした。













「1回だけじゃ、俺の気持ちが伝わんねぇよ……好きだ、サヤカ」





fin.