チョコレート箱 【完】


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「……トモのバカ」


私はそう呟いて、屋上の手すりに寄りかかるように座った。

風が気持ちよくて……寝たくなる。



隣にあるのは、渡し損ねた本命チョコ。


義理でも渡してもらえず、可哀そうなチョコレート。

「……私みたい」


紙袋から、そっとチョコレートを取り出した。



可愛くラッピングされた箱。

私が「今年こそ!」って、気合入れて作ったチョコが入ってる。

気持ちを込めて、何回も練習して……



「頑張った……のに、なぁ……」


トモ、怒っちゃったし。

私の気持ちに気づいて怒ったんだとしたら……笑顔でチョコを渡せる自信が無い。