「じゃあ、教えてやる」 仁の声と表情に憎しみを感じる。 「優夜ちゃんと俺……それから優花ちゃんのこと」 ユウカ……? それって、確か…… この前本屋さんで会ったおばさんが言ってた名前と同じだ! 「なんで優夜ちゃんの声が出なくなったのか、俺たちの過去ぜんぶ」 仁の大きな瞳が揺らいでいる。 どこか哀しみをふくんでいるような目。 大きく深呼吸をすると仁は話出した。