「冬樹くん、本当に結婚おめでとう」


「叔母さん」



白髪が増えた叔母さんも、今日は俺の親として、結婚式に参加してくれていた。


この後の披露宴で叔母さんに向けたサプライズも用意している。
叔母さんにはここまで、俺と夏沙を育ててくれた恩がある。


……だから、喜んでくれるといいな。



「なあ、冬樹。俺たちいつの間にこんなに大人になったんだっけ?」



横に並ぶバシッとスーツを着こなした仁が俺にたずねる。


大人になった仁は、あの頃よりもさらにズバ抜けてカッコ良くなった気がする。



「さあな。でも、あんま変わった気しねぇーな。毎日毎日必死こいて過ごして来て。気がついたらこんなにも時間が経ってたって感じだし」


「確かにな。……しっかしいろいろあったなぁー俺たち……」



空をもの想いに見上げた仁に合わせて俺も顔を上げた。


青い空に白い雲がゆっくりと流れていく。


確かにいろいろあって、人の何倍もの濃い時間を過ごしたような気がしてる。


あの頃の俺たちは目の前のことに一生懸命になって。


ただ、大切な人を守りたい。

それだけの想いで、苦しい青春時代をあがいていた。



「……でもお前よく頑張ったと思うよ」


「なんだよ、急に」


「別に」



仁が俺の頭のてっぺんに手を置いた。



「俺は冬樹に感謝してるっつーこと!」