いじわるうさぎはそう言うと、さよならを言ってトコトコと自分の家へと向かいました。


オレンジ色の夕焼けが、
お空にかかっています。



「優しい、かぁ…」



優しいって何だろうと、考えながら。



にんじんを盗むのは、優しいのかな?

やりたい放題って、優しいのかな?



「うーん、どうすれば…」



…と、その時。

誰かの泣き声が、
いじわるうさぎの耳に入ります。



「うぇーん…」



小さなねずみさんです。



「ねえ、どうしたの?」



いじわるうさぎは、そう声をかけました。