エメラルド・ナイト~守護者たちの饗宴~

「わあっ!? 早く手当!」

「必要ない」

 ベリルはナイフを抜くと同時に小さく呻き、傷口を手で押さえた。

「だめですよ! 早く中に!」

 痛いんだったら早く治療しないと──とにかくまず止血、止血だ。

 陣は慌てて何か縛るものは無いかと自分のポケットをあさる。

「慌てなくて良い」

 少年に発してハンカチを取り出し手にあるナイフの刃の部分をそれで巻き付けた。

「ちょっと! ハンカチあるんならそれで傷口を──」

 あれ?

 先ほどまで痛そうな様子だったのに、今は平然としているベリルに一瞬、呆然とした。