エメラルド・ナイト~守護者たちの饗宴~

 まるで神話から飛び出してきたような雰囲気を放っているベリルに言葉が詰まった。

 ただ歩いているだけなんだ、優雅な物腰でゆっくりと歩いているだけなのに、なんですかその存在感は。

「何か用か」

 視線を向けずに応えられ、少しドキリとした。

「いえ、ちょっとお話でもと思って」

 声をかけられた途端、彼の雰囲気が一転したような気がした。

 夢の中から現実に引き戻されたような、淡かった光がはっきりしたような──そんな感覚だ。

 陣は若干の及び腰でベリルに近寄った。

「よく手入れされている」

「え、ああ。そうですね」

 庭の事かと返事を返した。