「本当は少し嫌だったんですよ、千鶴ちゃんが主人公なのは」
ポツリと、先生の口から思いもよらない言葉が飛び出した。え、嫌だったの?
「何で?」
「王子様が僕じゃないからです」
「……はあ?」
「いくら演劇といえど、物語の中では千鶴ちゃんの王子様は違う人じゃないですか」
むーっと唸って頬を膨らませる先生は、子供としか言い様がないくらい子供っぽい。
「だからちょっと嫌でした」
「馬鹿みたい」
「僕は馬鹿ですよ」
「知ってる。……劇中の王子様は別の人でも、私の王子様はあんたでしょ」
言った、言ってやった。
「千鶴ちゃん、最近デレが多いですね、嬉しいです」
「前言撤回、お前はただの変態ロリコン大魔王だ、死ね」
「ひ、酷いっ!」
何なの、私別にツンデレじゃないんだけど。デレとかやめてくれる。



