夜、携帯が震えた。

《新着メール1件:大ちゃん》

大ちゃんからの貴重なメール。

メールがきたのはもちろん嬉しい。

でも内容を見て愕然とした。

《受信:大ちゃん
ぶっちゃけ惚れたしょ?》

─いい加減にしてよ。

しつこい!

《送信:大ちゃん
だから惚れてないってば!》

なんなの?

何がしたいの?

─『彼氏できた?』─

いつかの台詞を思い出す。

どうしてこんなこと言うんだろう。

この人は本当に、たまに全くわからない時がある。

菜摘は大ちゃんが好きなんだよ。



─なら、そう言えばいい。

でも─



せっかくまた笑い合えたのに

それが壊れてしまうかもしれない。

今度こそ大ちゃんを失ってしまうかもしれない。

そんなの嫌。

怖い。



《受信:大ちゃん
そっかあ。彼氏つくんないの?》

ねぇ、わざと言ってる?

大ちゃんしか眼中にいんだよ。

《送信:大ちゃん
つくんないよ。てかできない》

意味もなく、携帯を投げつける。

悔しい─



返ってきたメールに、どうしようもない感情が爆発した。