目が覚めると
硬いなにかに縛られていた

コレは…聞いた事ある

「拷問器具だよ
 アイアンメイデン聞いた事ない?」
「なんで!」
「言ったよね?私は貴方を人形にするの
可愛くて、動かない静かな人形にするの!」
「そしたら、ずっと一緒にいられるの?」
「えっ?」
「俺、死にたいって思ってた
 いじめられて、カツアゲされて
 生きてる意味がなかった
 でも、やっと出来たんだ」
「ふうん、興味ないけど聞いてあげる
 なにが生きる意味になったの?」
「君の存在…」

「え?」
「守りたいって思った
君が幸せなら、俺は死んでもいい」
「私は人間を好きにはならない
悪いけど…もうとじていいかしら?」

切なく聞こえたその声は
きっと、何も考えなくてもでるんだろうね

「一つ…聞いていい?」
「なに?」
「君の真名は?」
「針縫…だけど」
「ありがとう…」

そう言って俺は闇に消えた