あれ? でも……


颯太君がちょっと怒っているように見えますが、気のせいでしょうか?


「……今日は俺に近づくなッ! いいな!」


「ぎゃっ! は、ハイ!」


私は颯太君の迫力に気圧されて、慌てて教室から出る。


教室を出て数歩、歩いた後に私はクルリと回れ右をして教室の前でピタッと止まる。


気を付けー……90度にお辞儀ッ!


「失礼いたしましたっ! また明日、参上します! 好きです、颯太君!」


私がそう言って敬礼すると、颯太君は眉を思い切りよせて怒鳴った。


「もう来なくていい! 軽々しく好きとか言うな!」