私は家に埋まっていて、まだ読んだことのない本を開きながら歩く。


歩き読み、みたいな?


(伊達)眼鏡をかけて、いつもより身だしなみを整えてる。


ザワザワと騒がしくなるのは、いつものことだ。


「おはよう、颯太君」


落ち着いた……それでもしっかりと聞こえる声を出す。


私に呼ばれたその人は、ビクリと肩を震わせた。


ここ何日か、ずっとこんな感じ。


「………今日は、何だ」


私の姿を見た瞬間、颯太君はジトッとした目で私の今日の様子を見る。