お母さんは私と颯太君を見て、クスリと笑う。 「ごゆっくり~」 そう言って、そそくさとリビングの方に行ってしまった。 ……気を使ってくれたのかもしれないけど。 気まずい! これは気まずい! 昨日の事もあるし……でも、颯太君は知らないけど。 「……宮園」 改めて名前を呼ばれて、私はゆっくりと颯太君と目を合わせる。 「颯太、君……」 私はゆっくりと名前を呼んで、恥ずかしくなって俯いてしまう。