もう、下手なこと言えないな……。 私が黙って何も言えないでいると、颯太君が口を開いた。 「……教室、行ったか?」 「え? 教室が……えっ!? なんかあるの!?」 「な、何もねぇよっ! 宮園、今のは忘れろ!」 顔を赤くして、私の横を通り過ぎていく颯太君。 颯太君の赤い顔を見てしまった私は、ポッカーンと突っ立っている。 ……こんな颯太君、初めて見た。 嬉しがっていいのか、よく分からないけど……。 鼓動が早い。顔が熱くなる。