それだけで、私も伝染したみたいに楽しくなる。


実はこの学校にはバスケット部は無い。


だからこそ、体育館とか使えちゃうんだけどね。


「颯太君! 頑張って!」


私の声にピタッと動きを止めてから、こっちをチラッと見てくれる。


「……おう」


ぶっきらぼうにそう答えてくれるのも嬉しい。


颯太君がボールをドリブルしながら攻めていくのを見てから、私も自分のコートを見た。


私のコートでは、試合が行われている真っ最中。


こっちを応援しなくちゃ! と、試合を見るのに集中することにした。