ドンドンとボールが跳ねる音。 そのリズムに乗って、私は体育館を駆ける。 相手を紙一重で避けて、私の手からボールが離れる。 ――……トシュッ バスケットゴールに、ボールが吸い込まれるように入った。 自分でも、ちょっと感動してる。 今は放課後なんだけど、たまに生徒が体育館でバスケをする。 いつもはやらないけど、私はそれに混ざっていた。 隣のコートで試合をやっている人をチラリと見た。 ……颯太君、楽しそうに笑ってる。