「あっ! 私の折り畳み傘!」 昨日貸したヤツ! ……って、今ここで出すのはなぜ? さっきも思ったけど、なんで門の前で待ってたんだろう。 私が話しかけたら、何事も無かったかのように校舎の中に……。 と、ここで私が考えた結論に至る。 「もしかして……傘を返すために、待ってたとか?」 私の質問に、颯太君は目を逸らした。 「……借りは早めに返す主義だから」 ん? それだけで、雨の中を待っていられるかなぁー……。