深呼吸をしてから、颯太君の近くに近づいて…… ―― ドンッ 手で颯太君の背中を叩く。 いきなり背中を叩かれた颯太君は、目を丸くして私の方を見た。 私の姿をとらえた瞬間、さらに目を丸くする。 「……宮園?」 「おっはよー! どしたの? こんな朝早くに。珍しいじゃん!」 明るい笑顔でそう言って、私は再び颯太君の背中を叩く。 「いてっ! なんだよ、痛いって」 「あ、ごめんごめん」