颯太君は持たされた淡い水色の傘を見て、次に私を見る。 「……いいのか?」 遠慮がちに聞く颯太君に私は大きく頷いた。 「良いに決まってるよ! 使って使って!」 そう言って笑って見せると、やっと颯太君は頷いた。 もう。颯太君は、変な所で気を使うんだから。 普段、私に冷たくしてるくせに。 「じゃあ、明日に返す」 「うんっ! じゃ、また明日の朝に!」 笑顔でそう言うと、颯太君は呆れたような顔をした。