「ほ、本物の颯太君!」


私は顔をパァッと明るくさせて立ち上がる。


回れ右をして、今にも逃げようとする颯太君の手をガシッと掴む。


「こんにちはっ! この教室に用?」


「……あぁ、まあ…人探しだ」


嫌そうな顔をしながらも、話しかけてくれる颯太君。


嬉しくて頬が緩む。


「颯太君が、あんまり冷たくない!」


私がそう言うと、颯太君はフイッと顔を逸らす。


がぁーんっ……やっぱり冷たい?