―― ガラガラッ



教室のドアが開く音に、私はゆっくり顔を上げる。


先生、また偵察~? もぉ、しつこいなぁ……。


怠そうにドアの方を見て、私は固まった。


……あれ。マボロシ?


颯太君が見える……反省のしすぎで、一時の安らぎを神が与えてくれたとか?


「……げっ、宮園…」


本気で顔をしかめられて、私は気が付いた。


私が作った幻なら、「げっ」とか言うはずないよね?


ってことは……