「美緒さん、ごめんなさい。俺は…」
美緒は高倉の手を握った。
『高倉、信じよう。親友を。
きっと笑ってくれるから。高倉がこんなにも思ってるんだから』
高倉は笑顔でうなづいた
「美緒さん、ありがとうございます。
美緒さんの言葉で、俺、ちょっと元気出ました」
『そっか、良かった』
二人はまたしばらく、キラキラ光る海を見つめていた。
『もう朝だね、高倉帰りは運転しない方がいいからね。居眠り運転されたら困るから』
「はい、帰りは大島に運転させます。
美緒さん、大島は構わなくていいですからね」
『タイプじゃないから』
二人は笑っていた。心から笑っていた。
この時高倉は思った…。
必ずしも好きだと伝えなくてもいいんじゃないか。
美緒となら、言葉がなくても、そばに居られる。
そう…、思った…。