美緒はそれ以上何も言わず、永嶋が眠りにつくまで手を握っていた。


永嶋の寝顔は、まるで小さな子供だった…。


何故、永嶋は美緒に何も言わないのだろう…


仕事で疲れているなんて、何故そんな嘘を…


嫌、嘘ではないのだろう…。


ここのところ、永嶋は大きな契約に関わっていて、大変だったことは分かっている。


だが、それだけではない…。


もっと別の理由があるはず…。


そんなことを考えていると、美緒は眠れずにいた。


『あぁー、真理子と涼子に何て言ったらいいのかな?本当のことは言えないし…』


そんなことを考えてると、またまた目が冴えたので、美緒はこんなことを。


『朝ごはんでも作ってあげましょうかね。
朝ごはんでごまかせる訳じゃないけど、たまにはね』


美緒はそう言って自分に気合を入れ、コンビニに買い物に行った。