こんな優しい言葉を掛けられたのは、
とても久しぶりのことだった。
『昔の私だったら、きっとこう言うね。
一人で呑むのもなかなかいいよって。
うん、これからは永嶋さんに連絡する』
一人で居る寂しさに、美緒は耐え切れない…
永嶋に再会しなければ、こんな風に思わなかった…。
また傷ついてもいい…。
誰かがそばに居てくれるなら…。
美緒はずっと仕事に逃げて来た…。
傷つきたくなかったから…。
だから、強がって来た…。
そんな自分が大嫌いだった…。
今の美緒は昔とは違うかも知れない…
永嶋はそう思った…。
「まだ呑み足りないんじゃないのか。
外はもう寒いから、うちで二人で呑むか」
美緒は永嶋を見つめた。
『永嶋さん…、信じてもいいのかな?』
永嶋は力強くうなづいた。