たった一つのお願い



「そんな私が彼女にしてやれる事は些細な事ばかりでしょう。
だけど、私は必ず春陽さんを幸せにします」




だから。




「付き合いを認めてはもらえませんか?」



「―――…もし、春陽がそんなに長く生きれないと知ったらどうする?」



「は…?何を……?」




「――…あの子は脳腫瘍の他にもう一つ病を抱えている」




俺はこの時、絶望というものを本気で味わった。