たった一つのお願い



そうして向かえた手術の日。

私は、お父さんに見送られながら手術室へ入った。…龍は来ないって前の日に言っていた。ま、それが普通だろう。誰も手術日なんて来たくないよね。










………………










――――――…それから、どのくらいの時間が過ぎたのだろうか?

うっすらとする意識の中、ICUに居た私の傍には龍が居た。

来ないって言ってたのに…どうして来てくれたんだろう…

いや、どうして来てしまったんだろう。私は、瞬時に思い直す。

何故なら龍の表情は、悲しげでも慈しみの表情でもなかった。










―――怯え、の表情だった。



そうして、私はまた眠りに落ちた。




でも、その時、やはり私は思ったのだ。


やっぱり龍は私と居たらいけない人なんだ。