たった一つのお願い



だけど、





「楽しいよ」





あまりのも屈託のない笑顔で答えるから。





「…そっか。ありがとう」






私はお父さんにウソをついた理由を聞く事も、龍に別れを切り出す事も出来なかった。


私は甘えていたんだ。



1度誰かが傍に居てくれるという温かさを知ってしまったら、1人は慣れていたはずなのにそれを嫌だと拒んでしまう自分が居る。


お父さんは仕事でお母さんは早くに亡くなってしまった。
学校も体調がすぐれない日々が続いていて友達どころじゃない。


最近の私は1人で居る事の方が多かった。



それなのに、





「リンゴ買ってきた。食べれるか?」






こうして私を気遣って理解してくれる、してくれようとする人に出会ってしまって私は贅沢を覚えてしまった。

コレは悪い束縛だと思う。でも、私はわがままで勝手だから、龍と別れて1人になりたくなかった。