たった一つのお願い



翌日、お父さんはまた仕事に出かけた。そして昨日のうちに自分の病状についても聞かされた。手術は急いだ方が良いという事で3日後に行われる事になった。


別に驚きはしなかった。

大体予測はしていたからだ。


だけど、





「春、見舞いに来た」





こうして龍がやって来た事には驚いてしまった。




「あ?もしかして俺が見舞いに来ないと思ってたのか?…そんな事するわけねーだろ。春は俺の彼女なんだから」





何故かこの言葉にツキリと胸が痛む。


そして龍は椅子に腰かけいつものように私に楽しい話を聞かせてくれた。今日は学校の話だった。


そして、龍の話が一段落するころを見計らって私は龍に問いかけた。





「…龍は私と居て楽しい?」




本当は、私の境遇に同情しているだけなのではないだろうか?

笑顔の裏では嫌だと思っているんじゃないだろうか?


私の頭の中にはそればかりがよぎっていた。