たった一つのお願い



「…春陽がこんなに苦しんでいるのに気付いてやる事が出来なかった…俺はまた同じ過ちを繰り返してしまったんだ…」





違う。


それは違う。


お父さんのせいじゃない。





「お父さん…」





私は耐え切れずにゆっくりと目を開ける。


その瞬間、私は悟った。




――――…また、今度は私がお父さんにこの顔をさせてしまったんだ…




「春陽……聞いてたのか…?」



「お父さん、弱くてごめんなさい…こんな娘でごめんなさい…」





もう、あんなに悲しそうなお父さんの顔は見たくなかった。

あんなに1人寂しく涙を流す姿を見たくなかった。


だからウソにウソを重ね、隠していた。



本当は分かっていたんだ、自分が何か重い病にかかっているって。


でも、言い訳して、自分の勝手な考えのためにウソをついて、結局悲しませてしまった。しかも、お父さんにこんな言葉まで言わせてしまった。…こんなんじゃあ、龍に見捨てられても仕方ない。