たった一つのお願い



「…そうか。………………ってお前仕事は?」



「んー?
まだ大丈夫だ。お前の家からなら病院近いし」




時刻を見るとまだ朝の6時だった。
日にもよるが、今日は俺の家から病院までは最悪7時30分でも間に合う。


祐司に尋ねると俺と同じ時間でかまわないそうだ。




「久しぶりに来たけど何にも変わってねーなぁ」



「あまり人の家をジロジロ見るな。行儀悪いぞ」



「お前は堅すぎ」




大きなお世話だ。



祐司を家に連れ込んだのは学生時代に数回だけ。指折で数える程だ。


俺は基本人と関わるのが嫌いで苦手だった。そんな奴が誰かを家に呼ぶだなんて考えられない。
祐司を家に連れ込んだのは今日みたいな不可抗力の日だけだ。


…まぁ、不可抗力でも家へ入れたのは祐司だけだが。