たった一つのお願い



「……今日は誰に手紙を書いてるんだ?」




あれから一週間。
春陽はずっと手紙を書き続けている。
あと一週間で退院となった今、心残りがないよう遊び場で仲良くなった子供達に手紙を書くのだとか。




「んー鉄平君」




また男……じゃなくてだな。


春陽が俺に見向きもせず答えるのが気に食わない。



一生懸命書いているのは分かる。それを話しかけて邪魔するのも大人気ないとも分かる。


だが、俺への手紙は無くキスも全くさせてもらえないというのはあんまりじゃないだろうか?




「春陽…」



「仕事に戻っても良いよ」




呼びかけただけで扱いが酷過ぎる。


というよりまだここに来て三分も経ってない。