――先生は神様です
今なら、その気持ちが分かる気がする。
そう漠然と俺は思っていた。
こんな気持ちをいつも周りの家族は抱えていた。
目の届かぬ部屋で大切な人が今どうなっているのかも分からない。
長く暗い時間は続く。
手術が難しければ難しい程その恐怖は彼らを襲う。
春陽に出逢い、春陽を通じて分かった事や教わった事がたくさんある。
この時はただそれだけで、ちょっと共感したぐらいにしか思っていなかった。
だけどやはりそんな簡単で曖昧な事では済まされない大事な事だった。
俺の中にいつの間にか春陽は俺が思っている以上にずっと深く浸透し、存在を増していたのだ。
俺が変化したのはそのせいなんだ。
本当に大の大人が…高校生相手に…いや、春陽が相手なら仕方ないか。
何せ俺は、周りからも指摘される程の春陽馬鹿みたいだから。


