――その時、俺は思い出していたんだ。
『先生は神様です…!!』
――別に先程の言葉に自惚れていたわけではない。
手術をし、命をこの世に繋ぎとめる事ができる度、何度かそう言われた事はあった。
だけどその時の俺は医者として当然の事をしただけであって大袈裟すぎる表現だと思っていた。
否定せずに聞き流していたのは、彼らがあまりに真剣に俺にそう伝えるから。
ただ、それだけだった。
だけど、
『理央、春ちゃんの手術は無事成功したから』
手術室の前で銅像の様に固まっていた俺に優しくそう伝えてくれた祐司が一瞬、ほんの一瞬輝いて見えた。
暗闇に急に光が差し込んで視界が晴れた気分だった。


