たった一つのお願い



「いやー天下の女泣かせの理央を振るだなんてさすが春ちゃん!愉快愉快」




……コイツ、完全犯罪で一回地に埋めてやろうか?




「そんな睨むなよ。
春ちゃんに振られたからって俺に八つ当たりするなよな」




コイツはわざと“振る”という単語を連呼してるのだろう。さらに苛立ちが増す。




「お前ってさ、殊春ちゃんの事になると子供になるよな」



「は?」




俺は成人式をとうの昔に終えているし、働いている。子供の要素なんて持ち合わせていない。




「何も結婚するだけが全てじゃないだろ?」



「っ…!」




たまにコイツはこういう正論を吐く。
だからコイツとはやりにくいんだ。