恐らく鞄の中身とは、俺と春陽のお父さんが初めて会った時の奴を言っているのだろう。
春陽はアレをかなり知りたがっていたからな。
…別に隠す程の大したものではないのだが……
「私の病気についての本を読んでくれてたんだよね?」
つまりはそういう事だ。
最近俺が読む本は、娯楽の本でもなければ、循環器官の医学書でもなかった。
肝臓の消化器系と脳に関する本。
コレばかり。
因みに待ち伏せをしていた時もそれらに関する本を読みふけっていたというわけだ。
「聞く程の事じゃなかっただろ?」
「ううん。
私を知ろうとしてくれて嬉しかった」
……また無意識にそんな事を言う。
結局おあずけされるのは俺なんだ。それが嫌で耐えているのに…分かって言ってるのか?
だとしたら鬼だ。


