注文の出来ない喫茶店【短編】

私はその若者が淹れてくれた
インスタント珈琲を
今、カウンターに座り
飲んでいる



いつぶりだろうか
こんな風に
揺ったりとした気分で珈琲を飲むなんて



いいや、
飲んだ事なんて無かったんだ
毎日繰り返される日々に
ふと、疑問を抱き
そして
決めたんだ
時間に追われず、残りの人生を
歩いて行こうと
ゆっくりと、旨い珈琲を飲みながら…
残りの人生を楽しめばいいじゃないかと