薇姫/獣帝



「怜央…………」


怜央、と呼ばれた人はニコニコとしていて、その人の後ろにも男の人が居た。




「紘だって必死に守っただろうよ?




だって紘、琉稀の方が自分より大切って言ってたもんね?」



どことなく喋り方が陽に似ていて、何だか少し戸惑ってしまった。



「それにさー、琉稀も自分からやったんでしょ?どうせ~」




「ね、獣帝の皆さん」と俺達を見て首を傾げながら問いかける。




「……確かに、自分から面子を押しのけて庇ってました」




「さーすが、琉稀ちゃん」




怜央さんはパチパチと手を叩いて息を吐いた。



「…………っと、琉稀は昔から危なっかしいゎ…」




棗さんは前髪から手を離して立ち上がって真っ直ぐに怜央を見た。




「…………怜央、何でお前…」



「ん?仕事抜けて来ちった、あは☆」



「じゃねぇよばか。」



「てか、君が來哉君かな?」



「俺無視か、おい」



棗さんと怜央さんは漫才みたいな事をしながら俺達に目を向けた。



「さすがぁ。


何か総長って感じしてるぅ」



「…………自己紹介とでもいくか。」




棗さんは溜息を吐いて額に手を置きながら呟いた。